交詢社(東京都)
東京銀座に昭和初期に建築された交詢ビルディングが、解体。平成16年9月13日(月)、新たに都会的なデザインのビルとして再建、竣工した。
ビルの9階10階に談話室、大食堂、小食堂をふくむ各箇所に旧交詢社のクラシカルなインテリアが再現された。
当社は、平成16年より旧交詢社内部の貴重な内装部材を解体、保存、修繕し、新生「交詢ビルディング」に移築する木工時を担当し、本年9月無事、引き渡し、あしかけ2年に及ぶ息の長い移築工事が完了した。
交詢社は、明治13(1880)年に福澤諭吉の主唱のもとに、わが国初の社交倶楽部として設立され、明治、大正、昭和と「日本の近代を語るうえで重要な位置を占めてきた」機関である。
当初の交詢社の建物は、関東大震災で全壊したが、昭和4(1929)年には地上7階建ての2代目ビルが建てられ、昭和初期の代表建築として大変親しまれていまれたが、築後70年が経過し、このたび建て替えられることとなった。
木の再生
今回の最大の課題は、単に竣工時の室内空間を再現するのではなく、長い年月のなかでつちかった建築部材の風格をうしなわず再生させることであった。
長い年月の木材の焼け。入隅のおくまで染み込んだ汚れ。その場しのぎの補修跡。
かつての質感を失わずに汚れを取り払い欠損した木部を新たに補充しながらの修繕工事は、予想外に難しい作業であった。
新たな建物のプランに応じ、旧来の部材と全くおなじ木枠を新たに設ける必要もあり、細かい手仕事での木彫り、古い質感を再現させる塗装仕上げも要求された。
談話室のキャビネット型の壁面、小食堂のナグリ仕上げの付け柱や梁、階段の手摺の何気ないディテール等各所に見られる手仕事の痕跡に、現在竣工されるインテリアには比べ物にならない細かい工夫がなされ、奥行きの深さ感じさせる濃密な建築空間が再現された。

COMMENTS
NumSoumpvut | 2010/07/11 06:31 PM
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